舞台のお好きな方ならご存知であろう、あの有名な理髪屋の話です。
大まかなストーリーは知ってたけど、さほど興味が沸かなくて舞台版は未見。
トニー賞授賞式で見たパフォーマンスもあまり好みではなかったし・・・
当初はそう思っていたけど、
ティム・バートン監督がメガホンをとる発表されると同時に
一気に期待がふくらみました。だって作風がぴったりな監督じゃないですか。
しかも主演が
ジョニー・デップだなんて。“おいおい、唄うのかよ”など思いながらも、
完全に企画の段階で成功が約束されたような作品だと感じました。
しかしこの2人は何回目のタッグだ?と思い、記憶をさかのぼると・・・多分6回目かな。
(『シザーハンズ』『エド・ウッド』『スリーピー・ホロウ』『ティム・バートンのコープスブライド』『チャーリーとチョコレート工場』)
そして今作は、期待通りの完成度に大満足しました!
今回のバートン監督の演出は、やっぱりやりたい放題。
多用されるアニメーション的表現も、作品にうまくマッチしています。
まるで絵画のように完成された美しい画の連続、バートン美学をたっぷりと堪能することができます。
ジョニー・デップの才能には改めて脱帽させられました。
役作りした上での歌唱は素晴らしかった(もしかしたら逆で歌声に合わせて役作りかも)
きっと自宅に楽譜を持ち帰り、
ヴァネッサ・パラディに相談しながら練習したんでしょうね。
このクオリティには、
スティーヴン・ソンドハイムさんも満足してくれているんじゃないかな。
そして、劇中の狂気に満ちた演技は誰もが評価せざるを得ないことでしょう。
脇を固める俳優人はものすごい個性派揃い(若干ハリー・ポッター臭が強いけどね)
ヘレナ・ボナム=カーターは好演していましたね。ソプラノボイスが素敵でした。
メイクなんてまるで“コープス・ブライド実写版”といった雰囲気。
一歩間違うとコントみたいです。でも美しく見えました。
アラン・リックマン、
ティモシー・スポールの2人も安心して観ていられます。さすが名優ですね。
そして
サシャ・バロン・コーエン、このひと実はまともに演技できる人だったんですね。
今までの出演映画は微妙な感じだし、司会やらせてもめちゃくちゃだしね。面白いけど。
でも今回で見直しました。反省。
ブロードウェイ版はよく“グロテスクだけど笑える”との評価がされていたけど、
今回の映画版に関しては、ここは笑うところなのかな・・・と思いながらも、作品の持つ重厚さが邪魔をして笑えませんでした。
再度観る時には、少し違った見方をしてみたくなりましたね。
さぁ、オスカーレースが楽しみだ〜
スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師公式サイト
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