あなたの周りに「ロッキーは好きじゃない」と言う人はいますか?
少なくとも男性にはそのようなことを言う人はいないと思います。
シルベスター・スタローン(以下敬愛の気持ちを込めてスライと呼ばせていただきます)が自身の分身とも表現するロッキー。『5』でメガホンを
ジョン・G・アビルドセン監督に戻しましたが、最終章ではスライが監督に再登板、もちろん脚本もつとめます。
今作は全体的にシリーズ1作目へのオマージュが多く取り入れられていました。
そうあの頃の哀愁漂うロッキー。懐かしいキャラクターも再登場します。
今までに「ロッキーを見た事がない」という方は、鑑賞してから今作品に挑むと間違いなく感動が倍増しますよ。もちろん『1』〜『5』まで全て見ることをオススメしますが、最低でも『1』は必ず見てください。
前作から16年(1作目からは30年!)も経っているにもかかわらず、キャストが再集結。
観客と共に年月を生き続けていたキャラクターや街。
それはまるでロッキーの世界が実在しているかのような錯覚を起こす効果がありました。
回想シーンが入る度に、その作品を観た頃の自分を思い出してしまう不思議な感覚もありましたね。
60歳になってリングに上がるロッキー。
というか“60歳になってリングに上がるロッキーを演じる”スライには脱帽。
日頃トレーニングしている方なら、60歳であの肉体を維持(もしくはシェイプ)することは大変であることが一目瞭然でしょう。
内容的にも一歩間違えれば「やっぱり作らなければよかったのに」と、評価される作品になってしまう可能性もあったはず。シリーズ『5』で一旦きれいな形で終了したので、正直僕も「必要ないだろ」と最初は思いました。
しかしなんなんだろうか。この鑑賞後の言葉では表現できないくらいの感動と温かい気持ちは・・・
デジタル音響時代初のロッキー、試合シーンの臨場感は想像以上でしたよ。
このシリーズで使用される楽曲(弟フランクさんがアドバイスしてる?)は名曲揃いで、『3』の“Eye of the Tiger”や『4』の“Burning Heart”“Training Montage”などは、現在でも僕はジョギング時のプレイリストで活用しています。
そして『5』のエンディング曲“The Measure of a Man”なんてとても美しい隠れた名曲だと思います。(実はこれ天才
アラン・メンケン作詞作曲で、
エルトン・ジョンが唄っています)
今回は
Three 6 Mafiaが楽曲提供。かっこいい曲ですが、時に“MTV的”などと表現される演出はありませんでした。
でもビル・コンティさんの“ロッキーのテーマ”は、期待通りに今回もがんがん盛り上げてくれます。
スライ監督のストレートな演出には何度も涙が溢れました。
製作陣、出演陣みんなのロッキーに対する愛情がたっぷりとつまった作品。
最終章として素晴らしいものに仕上がったと思います。必見です!
ひたすらビール